巨大ロシアへの抵抗に「小型戦闘機」が注目される理由 その名はスウェーデン製「グリペン」、ウクライナ支援の新展開となるか

キーワード :
,
終わらないウクライナ侵攻。そんななか、スウェーデンはウクライナへの戦闘機供与に前向きな姿勢を見せている。その名は「グリペン」だ。

多用途性の光るグリペン

スウェーデンとロシア、ウクライナの位置関係(画像:OpenStreetMap)
スウェーデンとロシア、ウクライナの位置関係(画像:OpenStreetMap)

 グリペンのもうひとつの特徴は多用途性で、小国スウェーデンの限られた戦闘機リソースであらゆる作戦に対処できるよう、対空戦闘だけでなく、

・対艦攻撃
・対地攻撃
・偵察

などの戦術任務も担えるように開発されている。機体が小型で搭載力や航続力は大きくないため、長距離進出する侵攻作戦などには最適とはいえないが、ウクライナの国土防衛や黒海での活動であれば十分な能力を有している。

 ウクライナの政府筋も、ロシア軍侵攻の半年後までにはスウェーデン政府に対してグリペン供与の可能性を打診していたが、中立の立場を堅持していたスウェーデンが供与を約束することはなかった。

 しかし、ロシアのウクライナ侵攻作戦が長期化し、ヨーロッパ各国がロシアの軍事的脅威を重く受け止めるようになった結果、スウェーデンもついにNATOに加盟した。これを受けて、グリペンのウクライナ供与は、一気に現実味を帯びることになったのである。

全てのコメントを見る