巨大ロシアへの抵抗に「小型戦闘機」が注目される理由 その名はスウェーデン製「グリペン」、ウクライナ支援の新展開となるか
終わらないウクライナ侵攻。そんななか、スウェーデンはウクライナへの戦闘機供与に前向きな姿勢を見せている。その名は「グリペン」だ。
小国スウェーデンの強み

スウェーデンからの供与が取り沙汰されている戦闘機は、これまで各国が供与を決定したF-16ではなく、スウェーデン製の
「グリペンC/D型」
である。グリペンはスウェーデンのサーブ社が1980年代から独自開発した戦闘機で、各国がウクライナへ供与するF-16の初期型(A/B型)よりも少し新しい世代の機種になる。
グリペンの特徴は、冷戦時代のソ連軍との戦闘を念頭に置き、短い滑走路からの離着陸、少数の地上整備員による運用など、人口が約1000万人しかない小国スウェーデンでの運用に最適化されていることだ。
また、高騰する戦闘機の調達コスト抑制を図り、あえて小型エンジン1基を搭載する単発機として、現代の戦闘機としては非常に小さなサイズに抑えられた。その結果、グリペンC/D型の空虚重量(燃料や貨物を含まない機体そのものの重量)は約7t、最大離陸重量でも14tほどしかなく、かつて航空自衛隊が使用した
「国産のF-1戦闘機と大差ない機体規模」
だ。グリペン同様に単発機である航空自衛隊のF-2戦闘機は、標準離陸重量で13t、最大離陸重量は22tほどに達する。