巨大ロシアへの抵抗に「小型戦闘機」が注目される理由 その名はスウェーデン製「グリペン」、ウクライナ支援の新展開となるか

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終わらないウクライナ侵攻。そんななか、スウェーデンはウクライナへの戦闘機供与に前向きな姿勢を見せている。その名は「グリペン」だ。

グリペンが求められる理由

グリペン(画像:サーブ)
グリペン(画像:サーブ)

 ロシア軍の侵攻直後から、西側からウクライナへ供与されるべき戦闘機として、グリペンが最適だという声は多かった。

 ロシア軍は、巡航ミサイルなどの長距離攻撃によってウクライナ軍の飛行場を攻撃しており、ウクライナ軍は戦闘機の運用基地を分散させて対抗している。そうすると、分散基地の短い滑走路、場合によっては高速道路なども使い、小規模な地上整備支援で運用できることが必要だ。

 また、民間から戦時召集された経験の浅い兵員でも扱える整備性の高さも求められた。

 そのためグリペンの整備性の高さは特筆に値するもので、給油、再武装、基本整備を、わずか6人の地上勤務員が2台の車両を使って実施可能だという。

 スウェーデン空軍は、ソ連による侵攻に備え、伝統的に分散基地からの低空制圧戦術を重視してきた。従って、グリペンC/Dの電子戦装備は

「ロシアの戦闘機や対空レーダーへの対抗に最適化」

されており、まさに現在ウクライナが置かれている運用環境を前提に開発された戦闘機なのである。

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