なぜ岩手県は優秀な人材を輩出し続けるのか? 大谷翔平を育んだ「旧水沢市」で考える【連載】移動と文化の交差点(3)
大谷翔平だけでなく、近年、岩手県は人材輩出地域として注目されている。その理由を水沢で考えてみた。
新しい時代の街づくり

吉小路は偉人を育ててきた。
そして今、時代は変わり、新たなヒーローが登場した。しかし、水沢は大騒ぎする様子もなく、節度を持ってヒーローを応援していることが伺われる。将来、この町から大谷翔平に次ぐヒーローが再び輩出されるのかもしれない。
中心商業地区からはにぎわいが消えている。水沢駅は水沢江刺駅に主役の座を奪われ、しょんぼりとしたたたずまいだ。再開発が計画されても、また同じことが繰り返される可能性が高い。
筆者はコンテンツツーリズム(映画やテレビドラマのロケ地、文学作品やアニメの舞台となった場所を巡る観光旅行)学会の会長として、日本各地で衰退していく都市を目の当たりにし、新しい時代に向けた活性化策を考えている。
水沢には人材育成の明確なメカニズムがある。老境の筆者は、これを頼りに、新しい世代の人たちが知恵を絞っていけばいいと感じる。