「公道レース」は本当に日本経済の“起爆剤”になれるのか? フォーミュラE東京大会・今月末開催で考える
公道レースは専用サーキットを必要とせず、レースとは無縁の市街地や山間部でも開催できる。そのため、「地方創生の起爆剤」となる可能性を秘めている。
小さな街の大きな冒険

日本で初めてきちんとした形式で開催された公道レースが、2020年に島根県で開催された「A1市街地グランプリGOTSU 2020」だ。
このレースは、レーシングカートという小型のレーシングカーで競うイベントである。カートレースはF1の登竜門としても知られ、世界的に盛んなレースイベントだ。レーシングカートが走るコースは比較的狭く、比較的市街地のコースで公道レースを開催しやすい。
しかし、開催までには一般道路使用許可の取得、一般道路をコースとするための安全設備の設置、地元住民への説明会の開催など、さまざまな課題をクリアしなければならず、構想から7年の歳月を要した。
イベントは島根県中部に位置する江津市の江津駅前で開催された。人口2万4千人の江津市は、交通の便が悪く「最も東京から遠い都市」といわれている。そんな小さな街で開催された日本初の公道レースは大きな注目を集め、多くのメディアに取り上げられ、ユーチューブでライブ配信されるなど、日本のレース史に江津の名を残した。
公道レースを開催することは、どんなに小さな都市にとっても難しいことだが、その知名度は、小さな自治体を一躍有名にする可能性を秘めている。