ブレーキから足を離すと動き出す! AT車のこんな「クリープ現象」が最近消えつつあるワケ
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AT車では、ブレーキペダルやアクセルペダルから足を離したときにクリープ現象が発生する。ただ、近年は発生が少なくなっている。なぜだろうか。
安全性と環境への貢献

AT車のクリープ現象が当たり前でなくなった第一の理由は、近年の電気自動車(EV)、ハイブリッド車(HV)、連続可変トランスミッション(CVT)搭載車の増加である。これらのクルマには、基本的に従来のAT車に見られたクリープ現象が見られない。その主な理由は、エンジンの代わりにモーターを使用し、
「異なる駆動方式」
を採用しているからである。
EVはモーターから直接駆動されるため、一部の車種を除き、複数のギアで構成されるトランスミッションを必要としない。HVもエンジンとモーターを組み合わせることでクリープ現象を模倣できるが、AT車のように頼る必要はない。
また、CVT搭載車やデュアル・クラッチ・トランスミッション(DCT)車も、トルクコンバーターがないため、原理的にクリープ現象は存在しない。
クリープ現象を低減・解消することは、エネルギーの無駄を減らし、特にEVでは航続距離を伸ばすことにもつながる。また、ドライバーがより意識的に車両をコントロールできるようになるため、安全性の向上にも貢献する可能性がある。
このように、クリープ現象は、
・運転のしやすさ
・環境への配慮
・エネルギー効率
など、車両技術の進歩とともに多角的に見直されている。