日本の自動車メーカーは今すぐ「バッテリーEV」にかじを切るべきだ! 業績絶好調&HVシフトの時こそチャンスである

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日本の自動車メーカーが好調とはいえ、東京オートサロン2024の状況を見ると、BEVはまだラインアップの主力ではなく、開発途上であることがわかる。

求められる日本のBEVへの注力

盛況だった「東京オートサロン2024」の様子(画像:東京オートサロン事務局)
盛況だった「東京オートサロン2024」の様子(画像:東京オートサロン事務局)

 例えば、出張先や旅先で撮影した高画質な動画を、PCやスマートフォンを介さずに車内のスマートデバイスにバックアップし、同時に5G回線を介して外部のクラウドサービスにアップロードし、プロジェクトのチームメンバーと共有することができる。そして、そのすべての操作を音声操作で行うことができれば、より運転との親和性が高まる。

 そのとき、現在のようにスマートフォンと接続することはないだろう。法律上の要件さえ満たせば、クルマ自体に通信機能を持たせ、「e-SIM」などに対応させることも容易になるだろう。

 つまり、クルマは従来の移動手段としてのクルマを超え、独自の通信機能と生成AIを備えた

「パーソナルデジタルアシスタント」

になる可能性が高い。しかも、その機能や能力は、スマートフォンやモバイルPCを軽々と上回る可能性がある。

 BEVに注力することは、電池技術のさらなる進化による災害対策や生活パフォーマンスの向上、さらには数々のAI技術を駆使したクルマそのもののスマートデバイス化など、新たな「生活の変化」につながる。それは日本だけでなく、世界中で求められることになるだろう。

 スマートフォンやドローンも基礎技術で先行していたはずの日本。もし、今シーズンの業績好調に安心してBEVへの注力を怠れば、再び「ゲームチェンジャー」になる機会を失うことになる。

 BEVが日常の乗り物となり、日本が再び「青い空」を取り戻したとき、道を走る国産車のシェアは現在のスマートフォンと同じになるのではないか。東京オートサロン2024でオートバックスの展示を見たとき、そんな危惧が筆者の脳裏をよぎった。

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