日本の自動車メーカーは今すぐ「バッテリーEV」にかじを切るべきだ! 業績絶好調&HVシフトの時こそチャンスである
東京オートサロンでの驚き

日本では、2024年1月に「東京オートサロン2024」がコロナ以前のように、入場規制がほぼない形で開催された。
2023年に「ジャパンモビリティショー」に名称を変更し、自動車以外の分野も追加された「東京モーターショー」とは異なり、東京オートサロンは、最新のカスタムカーや歴史的名車の展示など、ある意味、伝統的なクルマの楽しみ方を正面から追求したイベントである。
その結果、来場者数は2023年の18万人から23万人と5万人増と大きく伸びたが、コロナ以前の2019年の33万人とはまだ開きがある(オンラインもあるが、無料なのでここでは除外)。
筆者(J.ハイド、マーケティングプランナー)が最も注目したのは、創立50周年を記念したオートバックスの展示である。同社のオリジナルスポーツカー「ガライア」の電気自動車(EV)化をはじめ、合計5台のEVカスタムカーが展示されていた。
驚いたのはそのラインアップだ。同社のこれまでのサービス内容や顧客層を考えれば、国産メーカーのEVに特化していると考えるのが自然だろう。しかし、実際に展示されていたガライアEVを除く4台のEVのうち、3台は海外製で、
・トヨタ:アルファードEV+
・テスラ:モデルY、
・ヒュンダイ:アイオニック5
・BYD:ドルフィン
だった。アルファードに至っては、純粋なEV、つまりバッテリー式電気自動車(BEV)ではなく、HVということになる。
日本の自動車メーカーが好調とはいえ、こうしてみると、純粋なBEVはまだラインアップの主力ではなく、開発途上にあることは否めない。
長らく日本のベンチマークだったドイツの自動車メーカーが、確実にBEVを主力車種に組み込んでいるのとは対照的である。日本は2035年にガソリン車の新車販売ができなくなるため、主力車種のラインアップをより急ピッチで見直す必要があるように思う。