日本の自動車メーカーは今すぐ「バッテリーEV」にかじを切るべきだ! 業績絶好調&HVシフトの時こそチャンスである

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日本の自動車メーカーが好調とはいえ、東京オートサロン2024の状況を見ると、BEVはまだラインアップの主力ではなく、開発途上であることがわかる。

リチウムイオン電池のルーツ

充電スポット(画像:写真AC)
充電スポット(画像:写真AC)

 今や中国に量産のお株を奪われた感のあるリチウムイオン電池だが、もともとは2019年のノーベル賞受賞者である吉野彰博士が発明したものである。つまり、現在のEVの隆盛は日本発なのだ。その意味では、日本がBEVで主導権を握ったとしても不思議ではない。しかし、現実にはオートバックスの展示に象徴されるような現状がある。

「いやいや、慌てることはない。HVは電動車の定義に含まれている」

という声もあるだろう。しかし、現在のガソリン価格が特別減税によって低く抑えられていることを考えれば、恒常的な円安が続けば2035年にはガソリン価格がリッター200円を超えることも考えられる。そうなると、HVがいくら燃費がよくても、BEVや一定の距離を電気だけで走れるプラグインハイブリッド車(PHV)に見劣りするのではないか。

 BEVの航続距離はコロナ禍後、約3割伸びている。テスラ・モデル3を例にとると、2019年の航続距離は415~530kmだったが、現行モデルは

「573~706km」

とされている(いずれも国土交通省の審査値)。ガソリン車でも600kmがひとつのラインであることを考えると、航続距離という点では遜色ないレベルになりつつある。観光地を含めた充電スポットの増加も相まって、不安要素の多くが解消されている。

 一方、BEVの最大の欠点は寒冷地での性能である。特に、氷点下が続く冬の北海道では、BEVの航続可能距離は夏場の約6割に落ちるといわれており、ときには命に関わることもある。

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