ボーイング機より燃費が2割も向上 世界の主力機・エアバス「A350」のグローバル戦略とは
低燃費で知られる航空機として知られ、世界の主力機に急成長したエアバス「A350」。そのグローバル戦略とは。
「ボーイング離れ」の背景
ライバル機はボーイングの中型ワイドボディー機「787」型機だ。787のほうが時期が早く、2011年10月にローンチカスタマーのANAによって運用開始された。日本ではJAL、そしてJAL子会社のLCC(格安航空会社)であるZIP AIR(ジップエア)も、787を保有して国際線で運航中だ。
787はデビュー後、世界の航空会社が次々と導入し、777やA330、A340などに代わる機種として順調にシェアを拡大していた。だが、2017年にANAで、787に搭載するエンジンに欠陥があるとしてしばらくの期間、運航停止するなど、故障や問題が次々に発生。
さらに、ボーイングの小型ジェット機「737MAX」による墜落事故が2度続いたことで、「ボーイング離れ」にも拍車をかけたと考えられる。加えて、LCCの増加でA320ファミリーの需要が急増。これは2019年、民間航空機の納入機数においてエアバスがボーイングを逆転した時期とほぼ重なる。
エアバス最高経営責任者(CEO)のギョーム・フォーリ氏は、2021年の納入機数世界トップに合わせ、
「(2022年も)世界中の航空会社から多くの発注がある。各社の要望に応えるため、生産拡大を予定している。同時に、航空業界の未来を見据え、産業能力を変革し、脱炭素化のロードマップを実施する」
とのコメントを発表。今後のさらなる事業拡大にも意気込みを見せている。