2024年の物流業界、多重下請け規制で「トラック会社優位」の状況に持ち込めるか?
2024年は「変革の年」

「2024年問題」として周知のとおり、2024年4月からドライバーに対する新たな労働時間規制が導入される。
これによって、ドライバーの労働条件の改善が進むことが期待されるが、新規制の影響は、2024年問題に関連して導入される新たな法規制と相まって、広範囲に及びそうである。そのような意味で、2024年は物流業界にとって大きな変革の年となりそうだ。
本稿では、2024年問題を契機として物流業界にどのような変化が生じるか、大きな視点から考えてみたい。
局所的に深刻化する物流危機

2024年問題は長距離輸送への影響が大きいことから、物流危機は
「地方の問題」
だと思われがちだが、実際、都市部の物流が直面している問題はもっと深刻だ。コロナ禍以降に日本社会に生じた変化のひとつが、地域間格差の拡大である。都市部と地方との景況感の温度差は、かつてないほど拡大している。
例えば、東京を筆頭に外国人観光客が多い地域では人手不足が深刻化し、賃金水準が顕著に上昇している一方、東北など一次産業や製造業中心の地方都市の雇用環境は、良好とはいえない。このような地域間の
「温度差」
が、2024年問題に端を発するドライバー不足にも影響を与えている。
各種統計を見ると、輸出産業の不振によって海上コンテナ貨物や航空貨物を中心に物量が低迷しており、トラック輸送にも影響が生じている。そのため地域別に見るとむしろトラックが過剰な地域も生じているのだが、一方、都市部の人手不足は深刻さを増している。
例えば高校卒業者の求人倍率を見ると、東京・大阪の人手不足が顕著であり、他の道府県とでは数倍もの差が生じている。加えて都市部では、活況を呈する建設業が競うように賃上げを進めている影響から、現業系の職種の人件費が顕著に上昇している。このように都市部の人材確保難は
「飛び抜けて深刻」
であり、トラック不足は「モノが運べない」という深刻な事態に近づいている。都市部では、わずかな定期昇給程度の賃上げでは、ドライバー不足の解消は不可能であるため、
・大幅な賃上げ
・運賃の大幅な値上げ
が必要な状況なのである。