「商船への攻撃」紅海で激化 フーシ派の脅威と世界的“物流危機”の拡大とは

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海運の世界的な要衝である紅海で、イエメン北部を実効支配する「フーシ派」による商船攻撃が激化。世界的な物流危機への懸念が広がっている。

英国国際貨物協会の声明

喜望峰(画像:OpenStreetMap)
喜望峰(画像:OpenStreetMap)

 ロンドン~横浜間は喜望峰回りの場合1万4500カイリ(2万6900km)だが、スエズ運河を通過すれば1万1000カイリ(2万km)となり距離にして2割以上、おおむね10日程度の短縮となる。このため、喜望峰回りが長期化すれば、輸送コストの増加と輸送遅延の深刻化は避けられない。

 貨物輸送業界の業界団体である英国国際貨物協会(BIFA)は1月2日、国際的なサプライチェーン(供給網)に次のような影響を与えるとの声明を発表した。

・運賃とサーチャージの上昇
・航行スケジュールの著しい混乱
・欠便の発生
・コンテナ数の不均衡
・代替輸送手段と代替輸送経路への需要増
・炭素排出量の増加
・保険料の上昇

 輸送遅延は大きな問題となっている。2023年12月には、スウェーデンの家具大手「イケア」がアジアの工場から欧州へ運ばれる商品が不足する可能性を発表。米国の衣料品小売り「アバクロンビー・アンド・フィッチ」は、航空貨物への切り替えを計画するなど各社は対応を迫られている。

 一方で、冷静な見方もある。英国の『ガーディアン』電子版2024年1月4日付の記事では、国際通貨基金(IMF)の推計をもとに、コロナ禍での輸送遅延がインフレ率を1%押し上げたとしている。その上で、英国のビジネスコンサルティング企業「フリントグローバル」のコンサルタントであるリース・デイヴィス氏の

「影響が経済に反映されるのはかなり遅く、(海運コストの)高騰から12か月はかかる」

というコメントを紹介、現時点ではコロナ禍の時とは異なり「インフレへの影響はおそらく限定的」だとしている。

 また、2024年1月9日付の『ロイター通信』によれば、フーシ派の攻撃対象は石油タンカー以外の船舶であるため、ほとんどの石油タンカーはスエズ運河を通るルートを使い続けているという。

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