三郷流山大橋有料道路に導入された「ETCGO」 結局、ETC・ETCXとどう違うのか?

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三郷流山橋有料道路で導入された、新しい自動料金収受システム「ETCGO」が注目されている。いったいどういったものか。

多彩な場所で利用可能

三井住友トラストクラブが発行する「ダイナースクラブカード」(画像:アマノ)
三井住友トラストクラブが発行する「ダイナースクラブカード」(画像:アマノ)

 では、ETCGOの出番や具体的なメリットにはどのようなものがあるだろうか。

 まずドライバーにとってのメリットは、手持ちのETCカードを車載器にセットしておくだけで利用できるため、事前登録などの手間がない点だ。またETCGOサービスを実施している事業地であれば、商業施設・空港・駅ビルの駐車場や街中のコインパーキング、ETCが導入されていない全国の有料道路などで利用できるため、高速以外での支払いも完結に行える。

 そして導入する事業者側にとってのメリットは、設置コストを抑えられる点が大きい。ETCGOの設置に大掛かりな機器は必要なく、比較的低価格で導入できる。また、現金回収やつり銭補充など、管理業務のコスト縮小や機器接触事故などのリスク軽減にもつながることが期待されている。

 よいことばかりに見えるETCGOだが、実は大きな課題を抱えている。それは現状では

「ほとんどのETCカードが使えない」

ということだ。現在すでに実用化されているETCGOだが、対応しているカードはまだ限られており、三郷流山橋有料道路の開通日時点では、三井住友トラストクラブが発行する「ダイナースクラブカード」のETCカード1種類のみとなっている。つまり、ほとんどのETCカードは対象外というわけだ。

『くるまのニュース』の記事(11月28日公開)によると、 実際に三郷流山橋有料道路料金所の手前には

「使用可能なETCカードはダイナースのみ」
「ETC車も一旦停止」
「ETCでも料金所では一旦停止」

と注意を促す看板が並んでいたという。これには混乱する人も多かったのではないだろうか。また、支払いには交通系ICカードやWAONも使用できるとのことだが、これには収受員とのやりとりが必要となるため、「結局手間がかかる」との指摘も上がっている。

 そのためネット上では、

「現状ダイナースカードだけの対応なんて、ほぼ使えないような物で無駄な投資」

という声が多く上がっており、使えるETCカードの少なさに混乱している人も多い。

 2024年3月にはイオン発行のカードが対応となることが予定されており、ほかにも順次使用カードは拡大していくそうだ。しかしながら、すべてのETCカードに対応するには今しばらく時間がかかってしまうことが予想される。便利なサービスなだけに、現在の仕様には“がっかり感”が否めず、大きな課題となっている。

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