燃費は最悪! マツダ「コスモ」のドライブフィールはそれでも“異次元”の3ローターだった【連載】90’s ノスタルジア・オン・ホイールズ(10)
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1990年代は、バブル崩壊後も未来への夢と希望に満ち、国内の自動車産業も活況を呈していた。本連載では、当時のクルマ文化を探るとともに、興奮を読者に甦らせる。
ロータリーの未来

結局、マツダは多くの資金を投入してスタートしたユーノスブランドを1996(平成8)年に廃止することを決定する。その時点で、ユーノスブランドのなかでもそれなりの台数が売れていた2シータースポーツカーのロードスターとハイテクメカを満載したセダンの800は新たにマツダブランドで再出発することとなる。しかし、既に販売台数的には頭打ちだったコスモに生き残る術はなかった。
こうして鳴り物入りで投入されたフラッグシップのユーノス・コスモは、1996年6月に販売を終える。生産自体は1995年8月に終えており、最後は在庫を全て整理した上でのブランド消滅とときを同じくした終焉(しゅうえん)だった。総生産台数は8842台である。
結局、コスモの車名はこれが最後となる。ロータリーエンジン専用のスペシャルティカーという意味では2003年から2013年までラインアップされていたRX-8がRX-7と共通の後継といえなくもないが、そのロータリーエンジン自体がマツダの量産車ラインアップから姿を消して久しい。
今後、マツダにコスモの名称が復活するとしたら、何らかの形でロータリーエンジンも再び日の目を見てほしい。可能性があるとすれば水素燃料のシリーズハイブリッドレンジエクステンダーか。それが伝統あるコスモの名称にふさわしいかどうかは別として、ロータリーの復活を待っているコアなファンは決して少なくない。
今からもう30年以上前のバブル経済に翻弄(ほんろう)されたコスモ。クルマというのは市場に投入するタイミング。その時点での経済状況こそが重要であることを思い知らされた不運の名車だった。