ボルボはなぜ「ミニバン市場」に参入したのか? そして、なぜ中国先行販売なのか? 新型EVプレミアムMPV「EM90」発表で考える

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ボルボ・カーは新型EVのプレミアムMPV「EM90」を世界初公開し、中国での予約受付を開始した。その背景にには何があるのか。

MPV急成長の要因

ボルボ・カー・ジャパンのウェブサイト(画像:ボルボ・カー・ジャパン)
ボルボ・カー・ジャパンのウェブサイト(画像:ボルボ・カー・ジャパン)

 2023年10月の中国新車販売台数では、MPVが10.4万台(前年比15.6%)であったのに対し、2023年1~10月は88.2万台(同17.1%)であった。

 その他のセグメントの同期間の前年同期比は次のとおりだ。

・セダン(0.3%)
・SUV(14.7%)

で、MPVが急伸している。中国でMPVが売れ筋になった背景には、ひとりっ子政策が見直され、多人数のファミリー層が増えつつあることがあるようだ。

 また、いわゆる高級官僚や企業幹部が高級商用車としてMPVを利用する傾向が強まっていることも日本と同様で、そのイメージが高まっており、販売台数が伸びている要因となっている。

 現在、MPVセグメントで販売されているモデルには、レクサス「LM」やビュイック「GL8」など、日本メーカーや海外メーカーのモデルが多く、売れ行きも好調だ。前述のようにEM90は、高級車のイメージを前面に押し出したコンセプトで差別化を図ることで、急成長しているMPVである。

 ここで、もうひとつの理由として挙げられていた、ボルボの親会社である吉利汽車が運営するプレミアムEVブランド・ジーカーとの相乗効果について考えてみよう。

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