駅のイベントポスター、“エッジの効いたデザイン”はどこまで許される? 岩手「裸祭り」JR東日本拒否騒動を振り返る
2024年2月に幕を閉じる「蘇民祭」。過去のポスター問題を改めて考える。
祭りポスターの論争

岩手県の内陸南部に位置する奥州市で行われる黒石寺「蘇民祭(そみんさい)」が、2024年2月に幕を閉じる。担ぎ手不足や高齢化で継続が難しくなったことが原因だ。
祭りは1000年以上の歴史を誇り、参加する男衆が「蘇民袋」と呼ばれる麻袋を奪い合うことで知られている。その存在が全国に広まったのは2008(平成20)年で、JR東日本が祭りのポスター掲示を拒否したことがきっかけだった。
ポスターには上半身裸の男性のインパクトのある姿が写し出されており、JRは
「不快感を与えかねない」
とした。この騒動は、
・公共広告の基準
・文化的な価値/表現の自由
の観点から、インターネット上で大きな論争を巻き起こした。
JR東日本の決定は、ポスターに描かれた男性の裸体や胸毛が、一部の視聴者に不快感を与える可能性があるという考えに基づいていた。しかし、文化的な価値/表現の自由を重視する多くの人たちからの反対も巻き起こした。
この騒動によって、祭りを取り上げるメディアの数が例年の約9倍に膨れ上がり、参加者数も増加した。この騒動は意図せずして祭りの知名度を上げる結果となった。