駅のイベントポスター、“エッジの効いたデザイン”はどこまで許される? 岩手「裸祭り」JR東日本拒否騒動を振り返る

キーワード :
,
2024年2月に幕を閉じる「蘇民祭」。過去のポスター問題を改めて考える。

公共広告の未来

「萌えキャラ」のイメージ(画像:写真AC)
「萌えキャラ」のイメージ(画像:写真AC)

 蘇民祭のポスターを含め、忘れてはならないのは、魅力的でインパクトのある表現が、逆に反発を生む可能性があるということだ。

 その好例が、近年しばしば問題になっているアニメなどの「萌(も)えキャラ」ポスターである。アニメのキャラクターは個性的で生き生きとしたイメージが魅力だが、性的な表現やカジュアルすぎる表現が不適切と感じる人もいる。ある年齢層や文化的背景を持つ人たちには受け入れられても、別の人たちには不快感を与えることもある。

 従って、広告やポスターを制作する際には、送り手はさまざまな観点からの受容性を考慮し、文化の多様性や感受性に配慮する必要がある。特に、公共の場に掲示する場合は、異なる価値観との衝突を避けるため、アニメキャラクターなどの強烈な視覚表現に配慮する必要がある。

 今後、日本の公共広告のスタンダードはどのように進化していくのか、文化表現の範囲はどのように拡大されるのか、あるいは制約されるのか、社会全体の深い理解と議論が必要だろう。今一度、騒動を想起し、重要な議論を促すきっかけとなることを期待したい。

全てのコメントを見る