「足のニオイが車内に充満」 タクシー運転手を悩ませる究極の「困った客」とは? 元経験者に本音を聞いてみた
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目的地にまつわるちょっと困った話
つい最近、筆者(ネルソン三浦、フリーライター)は元タクシー運転手の友人A氏と話す機会があったので、いろいろと質問してみた。ちなみにA氏は京都市内のタクシー会社に勤務しており、夜間専門だった。
話を聞くと、愉快な話やホッとするような話だけでなく、少し涙するような悲しい話、ほろ苦い思い出、さらには怖い思いをしたことなど、本当にさまざまな人間模様に触れたような気になった。
今回は、タクシーの車内で繰り広げられた人間模様のなかでも、タクシーの
「困った客」
に焦点をあててみよう。ただ、決してきれいな話ではないので、特に食事中の方は時間を外して読むことをお勧めしたい。はじめは、ちょっとだけ困った話からスタートしよう。
A氏がタクシードライバーを始めてしばらくして、客には
・目的地をいうタイプ
・目的地をいわないタイプ
の2種類の人がいることに気付いたそうだ。数はそう多くはないものの、目的地をいわないタイプの人は、乗ってくるなり進む方向だけ指示するという。
ある客は乗車するなり、「右に曲がって、その先を左……」と、さんざん指示したあげく方向がわからなくなって「運転手さん、どうしたらいい」と。さすがに目的地を聞いていないので、答えようがない。というか、心のなかであぜんとしたにちがいない。結局客が行きたかったところは、そこからあまり遠くないスーパーだった。
道順でいえば、グーグルマップでルートをチェックする客もいたそうだ。四条河原町から京都駅までの客を乗せたとき、河原町通を下がっている(京都では南に向かうことを下がるという)と、突然
「道順が違うと」
と怒り始めたのだ。話を聞くと、グーグルマップが指示する道順と異なっているとのこと。マップを見せてもらうと、河原町通から五条通へ右折して烏丸通を下がるルートを案内していた。
河原町通をまっすぐ下がるルートが一般的なルートであり(グーグルマップのルートの方がクレームになりかねない)、距離的にも信号的にもこちらの方がよいことを説明して納得してもらったそうである。