京成・新京成「2025年合併」に隠された戦略とは? “ディズニー株”巡る外国人投資家とのバトル余波なのか

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京成電鉄は新京成電鉄を吸収合併すると発表した。両社はもっと昔に“合体”しても問題がなかったものの、さまざまな理由から順延されてきた。

隠し玉は「舞浜リゾートライン」か

舞浜駅(画像:写真AC)
舞浜駅(画像:写真AC)

 一方、仮に京成がこれまで力を入れてこなかったOLCとの協業に、突然本腰を入れた場合、

「TDRがある浦安は京成本線から遠く外れ、『既存エリア』とはいえず、またDプランに掲げた『既存エリアに捉われず』に則し、エリア外のTDRを持つOLCとも今後積極的に協業を活発化させる予定です」

と説明しても、

「今まで実施しなかったことを突然行うのは、われわれの提案に対するカウンターにすぎず、前向きな方策とは思えない。むしろこれまで積極的協業を怠り、結果、企業価値を大きく毀損(きそん)した京成経営陣経営の暴挙といわれても仕方ないのではと、パリサー側は硬化するかもしれない」

と前述の事情通は話す。そこで、京成は隠し玉の舞浜リゾートライン(MRL)を登板させたのでは、との憶測も飛び出している。

 MRLはTDRを周回するモノレールで、定期券も購入可能なれっきとした公共交通機関だ。OLCの完全子会社だが、京成はOLC株を約22%握るので、MRLに対して間接的に株式約約22%分の影響力を持つ。

 もちろん京成グループの一員であるため、いざとなれば、

「『TDRはMRLの沿線エリアにあり、MRLは京成グループの一員。つまりTDRは既存エリアに含まれる』との三段論法で、パリサー側に対抗するかもしれない。まさに“裏ワザ”だ」
と、別の業界関係者は推測する。

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