京成・新京成「2025年合併」に隠された戦略とは? “ディズニー株”巡る外国人投資家とのバトル余波なのか

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京成電鉄は新京成電鉄を吸収合併すると発表した。両社はもっと昔に“合体”しても問題がなかったものの、さまざまな理由から順延されてきた。

理詰め攻勢を仕掛けるパリサー

新京成電鉄のウェブサイト(画像:新京成電鉄)
新京成電鉄のウェブサイト(画像:新京成電鉄)

 吸収合併について、沿線住民や利用客からは、

「実態はあまり変わらず実感がないが、ピンク色のかわいい新京成の電車がなくなるのか心配」

との声も聞こえるが、実はそんなふんわりした悲願成就話にとどまらず、水面下では火花を散らした壮絶なバトルが起きているといわれている。「保守的な日本の大手私鉄 VS 剛腕の外国投資ファンド」との攻防戦、との構図である。某業界関係者は

「京成が保有のオリエンタルランド(OLC)株の売却をめぐる戦いと無関係ではないはず」

と分析する。

 OLCはTDRの経営母体だが、京成は

「OLCの生みの親」

で、現在でもOLCの株式を22%強も保有し、筆頭株主として君臨する。もちろん京成の連結対象で、持分法適用会社として業績の相当分を京成の連結決算に反映させている。TDRで莫大(ばくだい)な利益を生み出すOLCは、京成にとって“金の卵を産むニワトリ”で、時に収益は親の京成を上回ることほどだ。

 だが、この親子関係に「タフ・ネゴシエーター」と恐れられる、イギリスの投資ファンド、パリサー・キャピタルが「ものいい」をつけた。そして2023年10月17日に京成に提案書を提出したのである。

 当該企業の株を1%以上(厳密には株式に付随する議決権)持つ大株主には株主提案権があり、提案書が適法なら当該企業の経営陣は、これを株主総会にかけなければならない。もちろんパリサーは京成株の約1.6%を持ち、権利を行使できる立場にある。

 提案書の中身をかいつまむとこうだ。京成株の時価総額は約8800億円で(2023年10月半ば現在。以下同じ)、OLC株は約9.2兆円となる。つまり京成が保有する約22%のOLC株の価値は単純計算で

「2兆円強」

となり、キャピタルゲイン(保有資産〈株式や債券など〉の売却による売買益)課税分を除いても、約1兆2300億円となる。つまり保有する子会社株の方が、親会社の時価総額よりも高いという「資本のねじれ」がずっと生じた状態にある。理論上は京成の全株式を8800億円で買うと、1兆2300億円のOLC株が“おまけ”でついてくる計算だ。

 一方、京成のコア事業は、鉄道・バス・タクシーなど運輸事業と不動産事業だが、同事業の価値は約3200億円にすぎない。しかも、京成はOLCと積極的に協業に挑んでいるというわけでもなく、シナジー(相乗効果)を生んでいるともいい難い。にもかかわらず、京成の資本の大半が固定化したOLC株(約1兆2300億円)で、コア事業拡大の投資に回すなど有効活用もなされていない。

 そこで資本の有効活用の一環として、OLC株約22%のうち7%分を売却し、得た資金を

・鉄道施設拡充
・運賃引き下げ
・輸送力増強

など、コア事業の鉄道事業の強化に使ったり、または株主還元を図ったりして企業価値の改善につなげるべきだ――。このようにパリサーは理詰めで迫る。それだけに、

「京成側も無下には拒否できないだろう」

との下馬評が支配的だ。

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