中国に猛追の韓国「造船」のいま 沈没ニッポンは浮上できるか 水面下の動き

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造船における韓国のシェアが中国に肉薄している。2か国で世界の建造量の大多数を占めるなか、かつての造船大国ニッポンはなかなか浮上できない。その水面下で起こっている再編の動きは、今後さらに加速する可能性がある。

貨物船の建造、1年で約3倍 ほとんど中国と韓国

大宇造船海洋が建造したイギリス海軍の給油艦「タイドスプリング」(画像:イギリス海軍)。
大宇造船海洋が建造したイギリス海軍の給油艦「タイドスプリング」(画像:イギリス海軍)。

 2021年12月8日、イギリス海軍の空母「クイーン・エリザベス」が母港のポーツマスに帰港した。同艦は2021年5月に初の作戦航海のためポーツマスを出港後、イギリス、およびアメリカ、オランダ海軍と空母打撃群「CSG21」を編成してインド太平洋に展開し、日本近海で海上自衛隊やアメリカ海軍などとも共同訓練を行った。

 このCSG21には、韓国で建造された艦艇も参加している。

 CSG21の一員としてインド太平洋に展開した、艦隊に給油を行う給油艦の「タイドスプリング」と、その同型艦3隻は、韓国の造船大手・大宇造船海洋によって建造されている。かつて七つの海を支配したイギリス海軍の給油艦を建造したことが物語るように、韓国の造船業は近年めざましい成長を遂げている。

 イギリスの大手海運調査会社のクラークソンズ・リサーチが2021年7月6日に発表した統計によれば、海上貿易の活発化に伴う貨物船の新規造船需要の急増により、2021年上半期に全世界の造船会社の受注した貨物船の新規建造受注は、2020年度同期に比べて2.92倍の2402万CGT(標準貨物船換算トン数)に達している。その大半を中国と韓国が占めている。

 貨物船の建造、新規受注は長期に渡って中国企業が首位の座に君臨してきたが、2021年上半期の受注では中国企業の受注1059万GCTに対し、韓国企業の受注は1047万GCTと肉薄しており、クラークソン・リサーチは2021年下半期に韓国企業が中国企業を上回る受注を獲得する可能性もあるとの見通しを示している。