中国に猛追の韓国「造船」のいま 沈没ニッポンは浮上できるか 水面下の動き

キーワード :
, , , , ,
造船における韓国のシェアが中国に肉薄している。2か国で世界の建造量の大多数を占めるなか、かつての造船大国ニッポンはなかなか浮上できない。その水面下で起こっている再編の動きは、今後さらに加速する可能性がある。

日本はもはや「かやの外」

大宇造船海洋のフローティングドック(画像:大宇造船海洋)。
大宇造船海洋のフローティングドック(画像:大宇造船海洋)。

 中国と韓国が貨物船のシェアで激しい首位争いを繰り広げている一方で、かつて造船王国であった日本は、かやの外に置かれている。クラークソンズ・リサーチの調査によると、2021年6月末において全世界で建造されている貨物船の82%は中国と韓国、日本の3か国で建造されているが、中国の38%、韓国の33%に対し、日本のシェアは11%にすぎない。

 一般社団法人日本造船工業会がまとめた「造船関係資料」によれば、国内造船業約480 社の2020年度の売上高は、2019年度の約2兆396億円から約1兆9783億円にまで減少しており、約480社のうち約60%にあたる272社が前年度に比べて減収となっている。

 造船業は各地域の雇用に重要な役割を果たしていることから、これまで日本の造船業では経営が破綻した企業も新たなスポンサーの支援を得て再建されることが多かった。しかし前述した中国、韓国との競争によるシェアの低下と、両国との価格競争などに伴う減収傾向が続いたこともあって、再編が進んでいる。

 三菱重工業は2021年3月に長崎造船所の香焼工場の新造船エリアを大島造船所に売却したほか、1946(昭和21)年に設立された佐世保重工業も2022年1月をもって新造船事業から事実上撤退し、修繕船事業に特化するなど、国内造船業界では新規の建造から撤退する事業者も現れている。