物流危機どうなる “悪者”扱いされる水屋、政府の「多重下請け構造の是正」は現実的なのか?
政府は、物流クライシス対策のひとつとして、「トラック輸送ビジネスにおける多重下請け構造を是正する」という。では悪者扱いされ、是正される側となる貨物利用運送事業者は、この流れをどう考えているのだろうか。
多重下請け構造の現実的改善

政府は、2023年6月に発表した「物流革新に向けた政策パッケージ」において、多重下請け構造の是正の目的を、
「実運送事業者の適正な運賃の確保による賃金水準の向上等を実現するため」
としている。
確かに、下請け構造の下位にある運送会社の売り上げや利益は、荷主と直接取引をしている運送会社のそれと比べ低くなりがちであろう。当然、ドライバーら従業員の収入も低くなる。また、そういった運送会社が、総じてコンプライアンス違反を犯しがちなのも確かだろうとは思う。
だが、現在の状況は、多重下請け構造の解消という手段が目的化してしまい、解決すべき課題が置き去りにされている懸念がないだろうか。極論だが、多重下請け構造を維持したままでも、
「実運送事業者の適正な運賃の確保による賃金水準の向上等を実現する」
ことができれば、そのほうが望ましくはないだろうか。
例えば、最低運賃の法制化や、貨物利用運送事業者に対する下請けルールの制定など、実は多重下請け構造を適正・健全化する方法はあると、筆者は思う。
ぜひ政府には、貨物貨物利用運送事業者の果たしている役目も検証し、本当に効果のある、そして現実的な多重下請け構造の是正に取り組んでもらいたい。