物流危機どうなる “悪者”扱いされる水屋、政府の「多重下請け構造の是正」は現実的なのか?

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政府は、物流クライシス対策のひとつとして、「トラック輸送ビジネスにおける多重下請け構造を是正する」という。では悪者扱いされ、是正される側となる貨物利用運送事業者は、この流れをどう考えているのだろうか。

対策として政府が考えていること

有識者による「持続可能な物流の実現に向けた検討会」が作成した運送体制管理簿のイメージは、建設業法を参考にしている(画像:経済産業省)
有識者による「持続可能な物流の実現に向けた検討会」が作成した運送体制管理簿のイメージは、建設業法を参考にしている(画像:経済産業省)

「トラック事業における多重下請け構造の是正に向け下請け状況を明らかにする実運送体制管理簿の作成」、これは政府が2023年10月6日に発表した物流革新緊急パッケージの一文である。

 実は、全日本トラック協会が2017年3月に発表した自主行動計画では、

「2次下請けまでに制限する」

とあった。

 政府は下請けの数を制限するのではなく、運送案件ごとに下請け事業者をリスト化し、書面に残すことで多重下請け構造の健全化を図る方針のようだ(まだ、法制化されておらず、また具体的な「管理簿」の姿が見えないため、あくまで推測であることは断っておく)。この方針について、伊藤氏はどう考えるのか。

「私ども貨物利用運送事業者にとっては、とても厳しい方針です。いわば、『手の内を見せろ』といわれているようなものですから」

 確かにそのとおりだ。貨物利用運送事業者にとっては、協力会社とのコネクション、分かりやすくいえば

「協力会社の名簿(仕入れ先)」

そのものがノウハウであろう。また、管理簿のような形にされてしまうと、協力会社への下払い金額が、荷主に推測されてしまう危惧もある。

 ただし、運送会社、とりわけ下請けの下位にある運送会社の関係者からは、「多重下請け構造の解消」という政府方針に対し、賛同の声も少なくない。

「私どものような貨物利用運送事業者に対し、『俺たちのアガリをピンハネしやがって……』といった声があるのは、もちろん知っています。しかし、私どもは果たすべき役目をきちんと果たした上で、運営上必要なコストや、ビジネス利益の確保として、その手数料を頂いているに過ぎません。そもそも取引条件(運賃や仕事内容など)に不満があるのであれば、その仕事を受託しなければいいだけです。それを承知で引き受けておいて、後から苦情をいうのは、筋が違うのではないでしょうか」(伊藤氏)

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