「EV = 高いから売れない」と主張する人は遅れてる? 米国の最新調査でわかった事実とは
JDパワーの最新調査によると、米国市場ではメルセデス・ベンツEQBのようなプレミアムEVの所有コストは安くなりつつあるという。日本にもその波は押し寄せるか。
プレミアムEVと量販EVの比較
市場調査会社のJDパワーが2023年9月に発表した「E-Visionインテリジェンスリポート」の最新調査によると、米国市場ではメルセデス・ベンツEQBのようなプレミアム電気自動車(EV)の保有コストはガソリン車をわずかに上回る水準で、割安になりつつあるという。
このデータから、米国ではプレミアムEVが手の届く価格帯に近づいていることが確認できるが、日本でEVが手頃な価格になるためにはどのような条件が必要か。
米国市場でプレミアムEVが手頃な価格になっている背景には、
・EV税額控除
・車両価格下落
などがあるが、最新の調査結果では次のような具体例が示されている。コンパクトスポーツタイプ多目的車(SUV)カテゴリーのモデルを5年間(平均)所有した場合の総費用比較(平均)において、
・プレミアムEVと同等クラスのエンジン車の差額は「287ドル」(0.4%)
・量販価格帯の同様の差額は「9259ドル」(18.0%)
と、両者に顕著な差があることがわかった。これらの比較からいえるのは、
・プレミアムEVはエンジン車より値ごろ感がある
・量販価格帯のEVとエンジン車の保有コストにはまだ開きがある
となり、プレミアムモデルと量販モデルの二極化の傾向が浮き彫りになった。