「EV = 高いから売れない」と主張する人は遅れてる? 米国の最新調査でわかった事実とは

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JDパワーの最新調査によると、米国市場ではメルセデス・ベンツEQBのようなプレミアムEVの所有コストは安くなりつつあるという。日本にもその波は押し寄せるか。

EVシフトへの正念場

モデル3(画像:テスラ)
モデル3(画像:テスラ)

 ジャパンモビリティショーでは、各自動車メーカーがバッテリー式電気自動車(BEV)の新モデルを発表し、まるで日本に浸透したかのようにEVモデルが目立った。展示モデルが実際に販売されるのは数年後になるだろう。この間に各社がEVシフトの遅れを取り戻せるかどうか、正念場を迎える。

 比亜迪(BYD)が最近発売した「ドルフィン」は、ジャパンモビリティショーで華々しくデビューし、補助金を使えば200万円程度で購入できるということで注目を集めている。さて、日本でEVが手頃な価格になるのはいつだろうか。

 高価なイメージのあるEVだが、新車購入時の選択肢のひとつとなるためには、300万円以下で購入できるEVのラインアップが充実することが条件のひとつである。

 現在、日本で300万円以下で購入できるEVは、日産と三菱の軽EVとドルフィンくらいで、その上の500万円未満の価格帯には日産リーフ、ヒョンデアイオニック5、BYDアット3などがある。補助金の活用を前提に、将来的にこうしたラインアップが300万円以下になれば、EVも新車購入時の選択肢のひとつになるだろう。

 視点を変えて、テスラ・モデル3(RWDモデル)と比較した場合、日本で販売されているEVと米国で販売されているEVの価格差はどれくらいあるのだろうか。

・日本の販売価格:561万3000円~
・米国の販売価格:2万8490ドル(1ドル=150円換算で約427万円)

為替の影響もあるが、単純計算で米国価格の方が20%以上安い。今後数年で日本でも20%程度の値下げが実施されれば、補助金を活用すればテスラ・モデル3の価格が300万円を切ることも考えられる。

「EV = 高価」

というイメージが拭い去られ、軽自動車クラス以外でも手が届く日が来れば、ようやく日本もEVシフトに追いついたと実感できるだろう。

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