EV電池の主原料・リチウムを巡る「南米争奪戦」、どう見ても中国が絶対有利なワケ【連載】方法としてのアジアンモビリティ(8)

キーワード :
, , ,
急速に変化・成長する経済圏として、世界的に注目されているアジア。この地域発のモビリティ・アプローチが、今後の経済において重要な役割を果たすことはいうまでもない。本連載では、アジアにおけるモビリティに焦点を当て、その隆盛に迫る。

南米でのリチウム争奪戦、中国有利

アルゼンチン・ブエノスアイレスの街並み(画像:写真AC)
アルゼンチン・ブエノスアイレスの街並み(画像:写真AC)

 ボリビアでのリチウム事業に参入した中国企業はCATLだけではない。2023年6月には、中信国安集団(CITIC Guoan Group)がロシアのウラニウム・ワン・グループとともに、YLBとの協定締結にこぎつけた。

 ウラニウム・ワン・グループがパストスグランデス塩湖に、中信国安がウユニ塩湖北郊に、それぞれプラントを建設する計画だ。

 2001年の同時多発テロ事件以来、南米に対する米国の影響力が衰えていくなかで、中国は南米諸国との経済関係の拡大を進めてきた。

 同時に行き過ぎたグローバリズムに対する批判が高まるなか、南米で左派政権が次々に誕生したわけだ。当面、南米でのリチウム争奪戦では中国が有利な立場を維持しそうだ。

全てのコメントを見る