コロナ禍でオワコン扱いだった「エアバスA380」が一転、重宝され始めた切実理由

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エアバスA380は、世界最大のジェット旅客機である。その異様な大きさと四つのエンジンと2階建ての客室により、見ただけでそれとわかる存在感がある。そんな航空機が戻ってきつつある。

しばらくは“救世主”として活躍

エミレーツ航空A380のメインデッキにある10人横並びの古いエコノミークラス座席(画像:アレックス・ベルチューコフ)
エミレーツ航空A380のメインデッキにある10人横並びの古いエコノミークラス座席(画像:アレックス・ベルチューコフ)

 航空旅客需要の増加にともない、エアバスA380が活躍する機会も増えていくと思われるが、一方A380の最大の保有者であるエミレーツ航空は、2032年をめどに退役させるとしている。現時点では、ボーイングB777X、B787-9、エアバスA350-900へ順次置き換える計画である。

 ルフトハンザ航空は、A380を2027年まで運用する計画で、それ以降については明らかにしていないが、ボーイングB777Xなどの新たな機体が納入され次第といったところだろう。

 というのも、再三再四納入が延期されているB777Xは、早くとも2025年といわれているが確定ではない。さらには、B777XだけでなくA350-900やB787-9の納入も遅れており、ルフトハンザ航空にとって、A380は今ある航空旅客需要を満たす“救世主”となったにちがいない。

 例えばミュンヘン~ニューヨークは、現在A340-600で運航しているが座席は297席しかない。しかし、A380を投入すると一気に509席に増えるのだ。やはり、航空旅客需要が急速に拡大するなかにあっては、使用可能な空港の関係で路線が限定されるとはいえ、A380のほかの機体を圧倒する座席数の多さは魅力だ。

 今後A380が“お払い箱”となる可能性があるのは、世界的な景気後退や新たなパンデミックによる航空旅客需要の落ち込みのほか、

「気候変動対策によるジェット旅客機の飛行制限や乗り入れ禁止」

が考えられる。

 これらの逆風が吹かないかぎり、当面はA380が世界の空を飛び続け、多くのファンを魅了し続けるだろう。

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