コロナ禍でオワコン扱いだった「エアバスA380」が一転、重宝され始めた切実理由
					エアバスA380は、世界最大のジェット旅客機である。その異様な大きさと四つのエンジンと2階建ての客室により、見ただけでそれとわかる存在感がある。そんな航空機が戻ってきつつある。				
				
				重宝される背景

実は、エアバスA380は新型コロナウイルス感染拡大時に「オワコン化」していた。新型コロナウイルスにより、世界的に人が全くといっていいほど動かなくなり、航空各社はエアバスA380を持て余していたのだ。
冒頭に話したANAのA380も、ご多分にもれず当然出番はなくなっていた。余談だが、苦肉の策として2020年8月にチャーターフライトのイベントを開催したところ、販売数に対して
「約150倍」
を超える応募があった。A380の人気や注目度の高さがうかがえるといえよう。以降、チャーターフライトイベントが継続して行われ、大好評を博したのはいうまでもない。
低燃費でコンパクトな旅客機が時代の流れとなるなかで、パンデミック(世界的大流行)が追い打ちをかけて、エアバスA380やボーイングB747といった大型の機体が敬遠されていたが、ここにきて航空旅客需要が急激に回復してきたため潮目が変わってきた。
日本航空機開発協会の世界の航空旅客需要の予測によると、今後は、落ち込んだ航空旅客需要が急激に回復するだけでなく、コロナ禍でいったん落ち込んだ期間だけ数年遅れて、コロナ前に予測された需要曲線に沿ってますます増加すると見られている。