自動車メーカーがわざわざ「子ども向けサイト」に力を入れる理由

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各自動車メーカーが子ども向けサイトを持っている。メーカーによっては、クルマができるまでの工程をサイトで特集していたり、バーチャル工場見学として、その過程をオンラインで「社会科見学」できるものもある。

子どものインターネット利用率

令和2年度における青少年のインターネットの利用率(画像:内閣府)
令和2年度における青少年のインターネットの利用率(画像:内閣府)

 企業の公式サイトは、潜在的な顧客や実際にその企業の製品を利用するユーザーを対象に作られていることが多い。商品を購入する前や購入した後に、使い方を調べるためにサイトを訪れる人もいるだろう。

 そのような場合、子ども向けの商品を作る企業でない限り、子ども向けサイトを作る必要はないように思われる。しかし、実際には多くの企業がそのようなサイトを作っており、その背景には子どものインターネット利用状況が関係しているだろう。

 2021年3月、内閣府は「令和2年度 青少年のインターネット利用環境実態調査」の結果を発表した。この調査では、低年齢の子どもを持つ保護者2247人を対象に「子どもがインターネット利用しているか」どうかを尋ねたところ、「利用している」が64.3%、「利用していない」が36.0%という結果が出た。小さい頃からインターネットを利用している子どもの割合が高いことがわかった。

年齢別に見ると、

・2歳:43.8%
・3歳:60.2%
・6歳:71.2%
・9歳:87.2%

と、年齢が上がるにつれてインターネットを利用している割合が高くなっており、子どもの成長とともにインターネットが欠かせない存在になっている。

 これは、インターネットが子どもたちにとっても身近な存在であることを示しており、企業にとっては「子どもが閲覧できる『子ども向けサイト』を作る」理由にもなっている。

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