タクシードライバーの「カーナビ依存」が招く迎車・降車トラブル、防ぐために必要な究極の一手とは

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タクシードライバーはGPSを信用しすぎてトラブルに巻き込まれることも少なくない。現在のGPSには、無視できない「誤差」があるのだ。

GPSとは何か

タクシー(画像:写真AC)
タクシー(画像:写真AC)

 GPSとは「Global Positioning System(衛星利用測位システム)」の略で、人工衛星を使って現在位置を測定する技術だ。

 複数の通信衛星からの電波を受信機で受信し、緯度・経度・高度を割り出して位置情報を提供する。現在、多くの車両にGPSが搭載されており、多くのタクシードライバーはGPSなしでは運転できないだろう。

 しかし、筆者(二階堂運人、物流ライター)のような現役タクシードライバーは恩恵を受ける一方で、GPSを信用しすぎてトラブルに巻き込まれることも少なくない。現在のGPSの測位誤差は

「5~10m」

といわれている。その結果、迎車場所や降車場所がずれてしまったり、待機している乗客に追い越されたりして、トラブルに発展することもある。

 ルートに関しても、カーナビは最短ルートを示すのではなく、最適ルートを示す。また、カーナビどおりに行って遠回りするなどの迂回トラブルも頻発している。現在のGPSには、タクシードライバーが無視できない

「誤差」

があるのだ。

 これまではGPSデータだけに頼っていたため、衛星の数に限りがあり誤差が生じていた。この誤差を修正するために、GPSだけでなくGLONASSSにも対応した「マルチGNSS(全地球航法衛星システム)」が導入され、測位精度が大幅に向上しようとしている。ガリレオ、日本のみちびき(準天頂衛星システム)、中国のBeiDou、インドのNAVICも活発だ。

 今後、GPSとGLONASSを組み合わせたサービスが開始されることで、GPSだけでは観測できる衛星の数が少ない場所や時間帯でも検出できるようになり、測位精度が向上することが期待されている。

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