テスラ「自動運転タクシー」の潜在価値は130兆円 路地の多い日本でビジネス成り立つのか
投資銀行RBCキャピタルマーケッツは、自動運転タクシー市場に関する興味深いリポートを発表した。それによると、自動運転タクシーの市場は将来、全世界で8700億ドル(約127兆円)に達する可能性があるという。
自動運転の現在地
世界的な電気自動車(EV)普及が加速しているのと同様、自動運転の動きも加速している。自動運転といっても、すでに実用化されているものも含めてさまざまなレベルがあり、いわゆる運転支援機能と呼ばれるオプション的なものも少なくない。
車両の制御のほとんどが電動で行われるEVは、自動運転との親和性が高い。カメラやセンサーが車両の周囲を監視。これらからの情報をもとに、スロットル、ステアリング、ブレーキを迅速かつ正確に制御するために必要なものは何か。EVであれプラグインハイブリッド車(PHV)であれ、システム全体の完全電動化が不可欠だ。
また、自動運転のビジネス用途として最も有望なのは、自家用車よりもむしろ商用車、具体的にはタクシーである。大都市におけるタクシーは、運行路線がある程度限定されるからだ。周囲の状況を把握しながら車両を正確に制御するために必要な高速・大容量の通信環境が整っているからだ。
実際、2023年時点で、北米ではカリフォルニア州サンフランシスコ、アリゾナ州フェニックス、テキサス州オースティンで、営業時間や地域は限定されるものの、自動運転タクシーが運行されている。これらの地域はいずれも自動運転に比較的適した道路や交通環境が整っているため、有望なビジネスとして注目されている。