駅で食べる「立ち食いそば」は、なぜあんなにうまいのか? 関東vs関西、知られざる“つゆ”の歴史を探る
大反響だった連載

筆者(ネルソン三浦、フリーライター)は7月に3回にわたり、駅で食べる立ち食いそばに関する記事を当媒体に書いた。
具体的な記事は次のとおりだ。
・駅で食べる「立ち食いそば」は、なぜあんなにうまいのか? エモい目線で分析する(2023年7月9日配信)
・駅で食べる「立ち食いそば」は、なぜあんなにうまいのか? 数値データから分析する(2023年7月17日配信)
・駅で食べる「立ち食いそば」は、なぜあんなにうまいのか? 経済目線で分析する(2023年7月23日配信)
連載期間中に多数のコメントをもらい、味やトッピング、店舗に対する思い入れだけでなく、
「涙するような思い出話」
もあり、駅の立ち食いそばの素晴らしさを再認識させられた。
関東と関西のつゆの違い

数多くの反響をいただいたことから、二匹目のドジョウを狙って(正確には4匹目であるが)、今回は番外編としてつゆの「関東VS関西の歴史」について話をしよう。
関東と関西のつゆの違いを簡単にいうと、次のようになる。
関東:かつおだしをベースにこい口醤油や砂糖などを加えてしっかりと味付け
関西:昆布だしをベースにうす口醤油を用いてさっぱりと仕上げ
余談であるが、カップ麺の「どん兵衛」も関東と関西でつゆが異なる。関西に旅行に来た友人にお土産について相談されたときにどん兵衛を勧めたものだが、少しかさばるので断られたのは少し残念な思い出である。
話を関東と関西のつゆに戻そう。筆者はつゆについていろいろと調べており、主に北海道で採れる昆布が関西で味のベースとなり、日本の南西方面で作られるかつお節が関東のベースとなっている点が不思議だった。なぜ近場で消費しないで、昆布やかつお節は遠路はるばる旅をしているのだろうかと。
結論を先にいうと、昔の
・政治経済の中心地
・物流ルート
と深く関わっていたのである。