主従関係の逆転? VWが「中国現地メーカー」との提携を進めた深刻理由
7月下旬、VWグループは中国現地メーカーとの提携を相次いで発表した。今後の展開やいかに。
相次ぐ提携発表

7月下旬、フォルクスワーゲン(VW)グループは中国現地メーカーとの提携を相次いで発表した。その先行がアウディで、上海汽車集団との協力拡大に関する覚書に調印した。両社は、アウディがまだ存在感を示していないプレミアム電気自動車(EV)セグメントで、完全コネクティッドEVを共同開発する見込みだ。
上海汽車集団傘下でアリババグループも出資する智己汽車科技(IMモーターズ)とプラットホームを共有し、800V仕様を含む最先端のソフトウエアとハードウエアを搭載する。
一方、VWは7月26日、小鵬汽車(シャオペン)に約7億米ドルを出資し、同社株の4.99%を取得し、ボードオブザーバー枠ひとつを確保すると発表した。小鵬汽車の電気スポーツタイプ多目的車(SUV)「G9」プラットホームを活用した2車種の中型EVを共同で開発し、2026年に市場投入する。
VWグループはこれまで、フォードと共通の商用車プラットホームでピックアップ「アマロック」を開発してきたが、中国の現地企業との提携は今回が初めて。この提携には、次世代のインテリジェント・コネクテッド・ビークル(ICV)に使用される中国市場向けプラットホームの共同開発計画も含まれている。
また、VWと中国第一汽車集団は、リープモーターのEVプラットホームをジェッタに採用する可能性があるとも報じられている。リープモーターは、ソフトとハードの両面で自社開発を堅持して独自技術を展開し、新たなプラットホームコンセプトを発表したばかりで、他社への供給を示唆している。EVセダン「C01」の生産は2019年6月に開始され、2023年上半期の販売台数は4万4500台だった。