主従関係の逆転? VWが「中国現地メーカー」との提携を進めた深刻理由

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7月下旬、VWグループは中国現地メーカーとの提携を相次いで発表した。今後の展開やいかに。

提携に関する両社の意向

VWは新たな提携をアピール(画像:フォルクスワーゲン)
VWは新たな提携をアピール(画像:フォルクスワーゲン)

 一連の提携は、中国現地メーカーのポテンシャルを示す結果となった。ドイツの自動車メーカーは伝統的に自動車業界をリードする立場にあったが、その一角を担うVWグループが中国現地企業との提携を共同開発まで拡大したことは、これまでの主従関係が逆転したかのような転機となった。

 上海汽車集団と小鵬汽車にとっては、独自のEV技術をドイツの自動車メーカーに認めてもらい、ブランド力を向上させ、内外にアピールするチャンスとなった。

 VWグループにとっても、プラットホームを共有し、最小限の開発工数で新型車を投入することが可能となり、目指す堅実路線を実現するための選択肢となった。

 中国のEV市場は急成長しているが、ステランティスなどフランスメーカーはすでに撤退し、日本メーカーも日々苦戦が伝えられている。そのなかで、生き残りをかけたVWグループの提携が実を結び、数年後に発売される新型EVを大きな期待をもって待ちたい。

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