EV天国「ノルウェー」の不都合な真実 極寒走行テストで判明した意外な結果とは? メーカーの草刈場にされる懸念も
新車販売台数のうち、EVが驚異的な割合を記録している国がある。それはノルウェーだ。2022年は新車販売台数の約8割を占めている、そんなEV先進国の落とし穴とは。
新車販売台数の8割がEV
自動車の新車販売台数のうち、電気自動車(EV)が驚異的な割合を記録している国がある。それはノルウェーだ。
ノルウェーのビジネルポータルサイトによると、2022年の乗用車の新車販売台数17万4329台のうち、13万8265台がEVとなっており、
「79.3%」
を占めている。プラグインハイブリッド車(PHEV)は1万4336台と2番目に多いものの、EVに大きく水をあけられており、そもそも桁がひとつ違う。
モデル別の販売台数を見ると、テスラのモデルYが1万7356台を筆頭に、フォルクスワーゲンのID.4が1万1561台と続いている。
輸出の4割以上を占める石油・天然ガス
ノルウェーの面積は38.6万平方キロメートルとほぼ日本と同じだが、人口は約542万人(2021年)と日本の4%程度だ。
主要産業は石油・天然ガスの生産だ。それらの資源を主にヨーロッパ諸国へ輸出しており、サービス業を除く輸出の
「42%」
を占めている。現時点では、石油依存からの脱却を目指しており、クリーンエネルギーをはじめとする新たな有望産業への転換を目指すことを経済政策の柱としている。
EV政策では、2025年までに、販売する乗用車と小型商用車全てをゼロエミッション車にする目標に取り組んでいる。
また、石油・天然ガス企業が、石油・天然ガスの生産から排出されるCO2の量に応じて支払う炭素税を増税するなど、ヨーロッパのなかでも気候変動対策に積極的に取り組んでいる国のひとつといわれている。