“EV充電規格”巡る一大戦争 テスラ「NACS」米国標準化へ、日本+中国の「ChaoJi」は本当に対抗できるのか

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EVの急速充電器では、その規格を標準化する覇権争いが繰り広げられている。日本と中国による「ChaoJi」の行く末いかに。

急速充電器の標準化の動き

EV充電ステーションのイメージ(画像:pixabay)
EV充電ステーションのイメージ(画像:pixabay)

 電気自動車(EV)の急速充電器では、その規格を標準化する覇権争いが繰り広げられている。

 世界に存在する急速充電器の規格には、

・日本の自動車メーカーや充電器メーカーが協議会を設立し開発した「CHAdeMO」(チャデモ、2009年に初号機設置)
・フォルクスワーゲン(VW)/アウディ/ポルシェ/メルセデスベンツ/BMWといった欧米勢が開発した「CCS2」(欧州式コンボ、2013年に初号機設置)
・ゼネラルモーターズ(GM)/フォード・クライスラーの米国勢が開発した「CCS1」(米国式コンボ、2014年に初号機設置)
・テスラが開発した「NACS」(旧TPC、2012年に初号機設置)
・中国が開発した「GB/T」(推奨性国家標準規格、2013年に初号機設置)

といった、主に四つの急速充電器規格が存在する。

 規格を策定した国や自動車メーカーは、自国の技術やインフラが広く採用されることで、先行投資して開発したものが資産として今後も活用できるだけでなく、

「自国の自動車や関連サービスの販売増」

にもつながる。

 さらには自らの急速充電規格が標準規格となることで、その規格を採用することになるそのほかの自動車メーカーやサプライヤーは、規格設定者が示したロードマップに従わなければならない。

 つまり、規格設定者は、自分たちの利益になるように

「急速充電器技術の進化を導ける」

のである。

 また、外国の技術標準に依存すると、サプライチェーンや国際関係の混乱に対して脆弱(ぜいじゃく)になる可能性があるため、各国ともに自国の急速充電器規格を世界標準にしたいモチベーションも働くのである。

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