主従関係の逆転? VWが「中国現地メーカー」との提携を進めた深刻理由

キーワード :
, ,
7月下旬、VWグループは中国現地メーカーとの提携を相次いで発表した。今後の展開やいかに。

提携の裏にBYDの猛攻

VWグループ・地域別BEV販売台数推移(画像:insideEVs)
VWグループ・地域別BEV販売台数推移(画像:insideEVs)

 2023年第1四半期、VWグループにとって衝撃的な出来事が起こった。長年にわたり中国乗用車市場でトップの座を比亜迪(BYD)に奪われたVWグループは、第2四半期にその差を広げ、BYDの59万5300台に対して54万4000台にとどまった。

 さらに、VWグループの2023年上半期の世界バッテリー式電気自動車(BEV)販売台数は、前年同期比48%増の32万1600台で、欧州と北米では伸びたが、中国では前年同期比減と苦戦している。

 VWは高級セダン「ID.7」や手頃な価格のEVを投入する一方で、ティグアンやパサートなどガソリン車のモデルチェンジも続けなければならず、商品構成をうまくコントロールしながら販売を伸ばすのに苦労しているようだ。

 また、アウディにとって懸念材料は次のとおりだ、

・「Q6 e-tron」の発売が2024年まで延期された
・自動運転のフラッグシップEVである「アルテミスプロジェクト」の開発が中断された
・BEV用の共通ソフトウエアプラットホームであるスケーラブル・システムズ・プラットホーム(SSP)の開発が延期された

すでに提携関係にある上海汽車集団との協力関係を拡大することで、新型EVを効率的に投入する狙いがあるのは明らかだ。

全てのコメントを見る