ビッグモーター騒動に負けない! 自動車業界の就職で修理・整備の「アフターマーケット業界」を狙うべき、これだけの理由
就職するメリット
上記のような業態があることはわかってもらえたかと思う。それでは、アフターマーケットに就職するメリットはどのようなものがあるのだろうか。いくつか紹介したい。
●車好きにピッタリ。車の細かい部品まで知ることができる
自動車に使用されている部品点数は3万点ともいわれており、膨大な種類の部品が存在している。アフターマーケットに就職すると、これまで知らなかったような細かい部品の機能まで知る機会が増える。また自動車部品を一般価格よりも安く購入しやすい環境なため、自分で好きな部品を交換できる楽しさもある。
●自動車メーカーの縛りがない
自動車好きの人は、特定のブランドにとらわれずにさまざまなメーカーの車を所有したいという人も多いのではないだろうか。自動車メーカー系列以外の企業に就職すれば、自動車メーカーの縛りなく好きなモデルを購入しやすい。
●企業の幅が広い
アフターマーケット業界には、半世紀以上前から創業している企業も珍しくなく、中には100年以上前から営業していた企業もある。自動車に興味がある人だけではなく、興味がなくても歴史が長く安定した企業で働きたいといった人、巨大企業で働きたい人、スタートアップで少数精鋭の企業で働きたい人など、さまざまな人のニーズに応じた選択肢がある。
大変革期を迎えている自動車業界

「CASE」「MaaS」といったキーワードに代表されるように、自動車業界は100年に1度といわれる大変革期を迎えていて、その影響はアフターマーケットにも及んでいる。自動車の電子化、電動化が急速に進む一方で、そうした自動車を的確に修理・整備・メンテナンスする必要に追われている。
そこで、2024年10月からは車検時に「OBD検査」といわれる電子的な検査が実施されることになる。OBDとは「On-Board Diagnostics」の略で、車載式故障診断装置を意味する。法定スキャンツールを車両のOBDに接続することで、OBDに特定の故障コード(特定DTC)が記録されていないか確認し、記録されていれば検査不合格となる。対象車両は2021年以降の乗用車、バス、トラックの新型車となる。
このOBD検査に対応するために関連法規が整備され、自動車メーカーからは特定DTC情報や整備要領書の提供、ツールメーカーは法定スキャンツールの開発、自動車整備工場は法定スキャンツールの準備(購入)や使い方の習得といった業界全体を巻き込んだ大きな動きの中にある。この先、自動車が進化すればするほどカーアフターマーケット業界もその変化に対応したビジネスモデルを構築することが求められていくことになる。