ビッグモーター騒動に負けない! 自動車業界の就職で修理・整備の「アフターマーケット業界」を狙うべき、これだけの理由

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アフターマーケット業界のなかで、今回は整備部門について解説し、就業する選択肢があることを読者に紹介する。

業態別の紹介

自動車整備工場のイメージ(画像:写真AC)
自動車整備工場のイメージ(画像:写真AC)

 ここまで読んでもらえれば、自動車部品の周りではどのような業態の企業が絡んでいるかがわかったと思う。アフターマーケット業界の整備部門に就職するとなれば、これらの企業に就職することになるのだ。ここからは、それらをさらに詳しく知るために部品メーカー、自動車部品商社、地域部品商、整備工場についてそれぞれ解説する。

●部品メーカー
 主に自社および関連企業で部品を製造し、その部品を自動車部品専門商社に販売する。自動車メーカー系列企業かどうか、自動車メーカーとの取引(納入)の有無などが企業によって異なる。アフターマーケットにはさまざまな商材が存在し、部品以外にも自動車整備機器、工具類、エンジンオイルや洗浄剤などの油脂類、洗車機、自動車部品検索システムや顧客管理システムなど多様な商材があるため、それらを製造する企業も多岐にわたる。

 他にもオルタネーター・スターター・バンパー・オートマチックトランスミッション・エンジン・ラジエーターといった高価な部品を廃車から回収して中古品として販売する業者もあれば、これらの部品の劣化部分を交換・再生した「リビルト品」を製造・販売する業者なども存在する。

●自動車部品商社
 上場、非上場問わず年商数百億円といった規模の企業が複数あり、国内だけでなく海外との取引を行っている企業も多いため、キャリアの幅は広い。大手商社の場合、全国の主要都道府県に営業所を展開している企業も多いため、日本各地で就業できるチャンスがある。

 国内市場での業務内容としては、地域部品商を訪問するルートセールスや、物流倉庫の商品を出荷・検品するロジスティクス、さらに電話問い合わせ対応などがあげられる。昨今では自動車部品商社がプライベートブランド(PB)の部品を販売することも多い。

●地域部品商(部品商)
 名前のとおり各地域に根付いた商社で、「部品商」と呼ばれることが多い。主な業務として上記の自動車部品商社、もしくは自動車メーカー系列の販売会社から仕入れた商品を自動車整備工場に販売する。外回りをする営業や配達を行う従業員、さらに社内で電話対応や部品手配を行うカウンターセールスといった職種がある。

 自動車部品は車種だけでなく年式やグレードによって細かく適合がわかれる。電子検索システムに型式や指定類別、車体番号といった車両情報を入力して正しい部品を検索、手配する必要がある。

 また大手部品商のなかには、部品販売だけではなく整備工場の支援業務に注力する企業も増えてきている。自動車の急速な進化に伴い、整備工場や板金工場が従来の設備や人員だけでは対応するのが難しい事例が増えてきた。その代表例が「アライメント調整」「エーミング調整」である。これらの作業内容の説明は割愛するが、どちらの作業も大きな投資が必要となるため、それらの作業を部品商が代行することでWin-Winの関係を築いている。

●自動車整備工場
 自動車メーカーの看板を掲げたディーラー系列以外にも、一般の整備工場が数多く存在する。部品商や自動車メーカー系部品販売会社から仕入れた部品を使い、ユーザーの車を点検・整備する。地域部品商と同様、地域に根ざした企業の場合には異動がないため、その地域から離れずに働きたいという人に向いている。

 自動車整備工場には、認証整備工場と指定工場の2種類にわけられる。認証工場は自社で分解整備を行うことができるが、最終的に運輸支局などのいわゆる車検場に車両を持ち込み、保安基準に適合しているか検査を受ける必要がある。

 指定工場の場合、基準に適合する設備を持っていて、自動車検査員が保安基準の適合を証明できる。そのため点検整備だけでなく、車検検査を自社工場で行うことができるのが認証工場との大きな違いとなっている。そのため、指定工場は「民間車検場」と呼ばれることもある。

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