運転士不足なのはバス・トラックだけじゃない! 全国で相次ぐ「鉄道」自動運転プロジェクト、急がなければ公共交通は崩壊危機だ

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運転士不足が深刻さを増すのは、路線バスやトラックだけでない。鉄道もまた運転士不足に悩まされている。解決に向け、JR各社や私鉄大手は自動運転の実用化を急いでいる。

鉄道の自動運転レベルとは

和歌山港駅に併設されている南海フェリー乗り場(画像:高田泰)
和歌山港駅に併設されている南海フェリー乗り場(画像:高田泰)

 鉄道の自動運転技術は既に、踏切がなく、人や車が容易に線路内に入ることができない新交通やモノレールで、駅へのホームドア設置や自動列車運転装置の搭載などを条件に確立している。しかし、踏切から線路内に侵入する人や車を検知し、安全に列車を停止させなければならない一般の鉄道だとそうはいかない。

 国土交通省は2018年、学識経験者らによる「鉄道における自動運転技術検討会」を設置し、対応策を検討してきた。検討会は2022年の取りまとめで自動運転レベルを0から4までに分類している。

 レベル0は、路面電車で採用されている目視運転。レベル1は非自動運転で、一般の鉄道が該当する。レベル2は運転士が乗務し、列車の起動や緊急停止操作など限定された操作をする半自動運転。東京都を走る地下鉄の東京メトロ丸ノ内線や南北線などに導入された。

 レベル2.5は、運転士資格のない係員付き自動運転。係員が運転台で緊急停止操作や乗客の避難誘導だけを行う。レベル3は運転台以外に係員が乗務し、避難誘導だけを担う添乗員付き自動運転。千葉県浦安市の舞浜リゾートラインのモノレールが導入している。

JR各社も相次いで実証実験入り

自動運転で走行している神戸新交通のポートライナー(画像:高田泰)
自動運転で走行している神戸新交通のポートライナー(画像:高田泰)

 レベル4は運転士も係員も乗務しない無人の自動運転。神戸市の三宮地区とポートアイランド、神戸空港を結ぶ神戸新交通のポートライナー、東京都の新交通ゆりかもめなどが採用している。

 国交省の方針に合わせ、一般の鉄道会社も相次いで自動運転の導入に動きだした。

 JR九州が2020年に福岡市の香椎線、JR東日本が2022年に東京都の山手線で走行実験したのをはじめ、JR東海やJR東日本は新幹線でも走行実験を進めている。

 東武鉄道は2023年度以降、東京都足立区の東武大師線西新井~大師前間1kmで走行実験を進める方針。目指しているのは自動運転レベル3で、実施時期は検討中だ。

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