ビッグモーターの記者会見はなぜ視聴者をイラつかせたのか? 買い取りナンバーワンでも、謝罪は“ワーストワン”という笑えない皮肉
7月25日、中古車販売大手のビッグモーターの兼重宏行社長が記者会見で辞任を表明した。しかし、その際の失言で同社への批判はさらに高まることとなった。
謝罪より「自己弁護」な記者会見
7月25日、中古車販売大手のビッグモーター(東京都港区)の兼重宏行社長が記者会見で辞任を表明した。しかし、その際の失言で同社への批判はさらに高まることとなった。
ビッグモーターに限らず、不祥事を起こした企業や政治家の記者会見はこれまで、常に注目を集めてきた。さて、記者会見の成功・失敗の分岐点はどこにあるのか。
今回の記者会見で一貫していたのは、兼重社長は不正を知らなかったということだ。また、組織的な不正行為ではなかったという。兼重社長は自らの関与を否定し、特別調査委員会の報告書について
「耳を疑った。こんなことまでやるのかと、がくぜんとしましたね」
と語った。
さらに、質疑応答で経営陣の指示について尋ねられた際には
「あり得ませんよね、そんな。一切ありません」
と迷うことなく否定した。
加えて、YouTubeなどで「悪意のあるようなメッセージ」が流されているとして
「逆をいえば、それは問題じゃないのと。自分の胸に手を当てて、よくよく考えたら、というメッセージを送りたいですよね」
とまで言い切った。
会見全体をとおして感じたのは、謝罪というより自己弁護だった。批判がさらに高まったのも納得だ。