京成線「東成田駅」はなぜ“秘境駅”と呼ばれるのか? 成田空港の敷地内の謎に迫る
京成電鉄の東成田駅は、首都圏の「秘境駅」と呼ばれている。同社のデータによれば、2022年の乗降客数は全69駅中「66位」となっている。一体なぜ「秘境駅」になったのか。
芝山鉄道開通で「秘境駅」に

成田空港新駅の開業によって旧成田空港駅は東成田駅に改称し、「秘境駅」とも称されるローカル駅となった――といいたいところだが、物事はそう簡単ではない。
東成田駅はしばらく、一定の利用客を確保していた。なぜなら、空港周辺地域で鉄道駅として機能していたからだ。そのため、東成田駅には路線バスのバス停もあり、客待ちのタクシーも常駐していた。また、通勤通学の便を確保するため、東成田駅と空港第2ビル駅の間に地下道も建設された。
空港周辺地域の鉄道駅としての価値は、2002(平成14)年10月の芝山鉄道の開通によって消滅した。芝山鉄道は空港建設に賛成する地元住民の声に応えた、いわば
「見返り事業」
として建設された。
この路線の開通と芝山千代田駅の新設(同年)によって、東成田駅から路線バスや客待ちのタクシーは姿を消した。こうして、空港関係者くらいしか利用しない「秘境駅」として認識されるようになった。
現在、巨大なコンコースの一部は壁で仕切られ、いつも薄暗い無人駅となっている。しかし、都心からのアクセスがよいこともあり、「秘境駅」としてツアーが組まれるほど人気がある。また、無人駅で臨機応変に使えるため、テレビドラマやCMの撮影にもよく使われている。
往時のにぎわいと昭和の雰囲気が残る東成田駅だが、現在計画されている成田空港の施設再編の流れのなかで整備対象になる話もある。つまり、この独特の秘境感もいつまでも感じられるものではないのだ。
実にもったいない。1970年当時のたたずまいが残るこの雰囲気は、観光名所としてぜひ残してもらいたい。