ロシアの新車販売・前年比88%増で急回復 中国ブランドが躍進するロシア自動車産業の現在

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2023年1~6月のロシア国内の新車販売台数は前年比3%減の35万8921台で、2022年の販売水準にまでほぼ回復。特に4~6月の伸びは大きい。

ロシア新車販売は急激に回復

アフトトルが量産開始予定の北京汽車「X55」(画像:アフトトル)
アフトトルが量産開始予定の北京汽車「X55」(画像:アフトトル)

 2023年1~6月のロシア国内の新車販売台数は前年比3%減の35万8921台で、2022年の販売水準にまでほぼ回復している(マークラインズ調べ)。

 なお4~6月は急回復しており、

・4月:5万4270台(前年比70%増)
・5月:5万1466台(同112%増)
・6月:5万2279台(同88%増)

と急回復している。

 1~3月を含めると3%減となるのは、いうまでもなく、ロシアが2月24日にウクライナへ侵攻したためだ。それ以来、ロシア国内の自動車生産はサプライチェーンの崩壊で操業停止に追い込まれた。西側自動車メーカー各社も相次いで撤退し、3月以降は大幅な販売減少が続いていた。

 前述のとおり現在は急回復しているが、ウクライナ侵攻前(~2021年)の水準の50%に満たない状況で、市場が完全に回復するには相当な時間を要するだろう。

 停滞期に入ったロシアの自動車生産を打開すべく、2022年6月、プーチン大統領が出席した自動車フォーラムが行われた。各州や共和国の代表者に加えて、ロシア国内の自動車メーカーである

・カマーズ
・ソラーズ
・アフトワズ
・ガズ

の代表者も参加した。

 このフォーラムが事実上のロシア自動車産業復興の決起集会となり、2022年12月に正式承認された新たな自動車産業育成策によって、

・自動車と部品メーカー各社への追加投資
・中国ブランドとの提携

が急ピッチで進められた。

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