ヨーロッパ「高速路線バス」の知られざる実態 鉄道の強力ライバルも、実際に乗ってみて感じたメリット・デメリットとは
鉄道より安く、ダイヤも正確なヨーロッパの都市間高速バス。実際に乗ってみた筆者が味わった意外な現実とは。
営業車両を持たない会社の台頭

ドイツのフリックスバス(Flixbus)は、バス会社のなかでも最大規模の会社で、規制緩和の決定を受けた後の2011年に設立された。
同社の特徴は、既存のバス事業者に代わって、
・路線設定のためのマーケティング調査
・運賃価格設定
・顧客サービス
を扱うだけで、営業用の車両を1台も持たない会社という点だ。
つまり、同社が入念な調査で需要予測を立て、採算の取れそうな区間に路線を開設。運賃や時刻を設定した後、それを実際に運行するバス会社へ委託。チケットは同社のサイト上で販売され、そこで得た乗客からの運賃収入は、バス会社の取り分を差し引いて自分たちの利益とする、という流れになっている。
このビジネススタイルが大成功をお納めたことで同社は急成長を遂げ、同業他社などを次々と買収して傘下に収めた結果、2018年にはドイツ国内の市場シェアは90%に達している。現在は北米やブラジルでも路線バス事業を展開しているほか、2017年からはFlixtrainのブランドでドイツ国内の鉄道事業へも参入している。