「立って乗る」車いす、知ってる? 筑波大学発の企業が開発、下肢障がい者の大きな助けに

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街中や病院などでよく見かける車いす。入院時や足のけがなどで一時的に使ったことがある人は、その不便さを痛感したことだろう。一時的ならともかく、常用する人の不便さは推して知るべしである。

いまだ不便を強いられる車いす利用者

 筑波大学システム情報系の鈴木健嗣(けんじ)教授は、下肢運動障がいを持つ人たちに、健常者と肩を並べて立った姿勢で移動することをサポートしたり、駅構内の段差を自力で踏破できるような車いすの開発を行ったりしてきた。人体構造と人体力学に基づいた、立位支援と段差踏破を実現させる研究である。

 Qolo代表取締役の江口洋丞(ようすけ)氏は鈴木教授の研究室の研究員だった。江口氏は、足の不自由な人のQOL(生活の質)が向上するよう、立位支援の研究から生まれた中核技術で貢献することを目指している。

 私たちが生活する環境は、立って歩く人が便利なように作られている。バリアフリーは意識されつつあるが、いまだ多くの車いす利用者が不便を強いられている。

 車いす利用者を受け入れるための設備整備のハードルが下がれば、企業も車いす利用者を積極的に雇用できる。行動範囲だけでなく

・就労チャンス
・仕事の幅

も広がる。江口氏は過去のインタビューで、

「ひとりでも多くの人に、望めば立ち上がれて、潜在力を発揮できるようになる世界を提供することを目指しています」

とコメントしている。

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