ルノー日産、BMWをしのぐ勢い? トルコ初の国産EVメーカー「Togg」の秘めたるポテンシャル、年産100万台体制狙うエルドアンの鋭き目論見とは

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エルドアン大統領が立ち上げたトルコ初の国産EVメーカー「Togg」。中国や米国などの新興EVメーカーとの競合もあるなかで、世界のEV市場でどのような発展を遂げていくのか。

1か月余りで約18万台を受注

「Togg T10X」(画像:Togg)
「Togg T10X」(画像:Togg)

「Togg(トッグ)」という自動車メーカーをご存じだろうか。

 同社はトルコ初の国産電気自動車(EV)メーカーを目指し、エルドアン大統領が立ち上げた。会社設立からわずか5年で量産実績のない自動車メーカーに17万7000台超の注文が集まっている。成長著しいEV市場での生き残りを掛けて、エルドアン大統領はさらなる成長戦略を描けるか。

 5月28日に行われたトルコ大統領選決選投票の結果、現職エルドアン大統領が、野党統一候補クルチダルオール氏の得票を上回り当選した。任期は5年。エルドアン大統領は2003年に首相に就任、2014年の大統領選挙での当選を経て、約20年にわたる長期政権がさらに継続することとなった。

 エルドアン大統領が推し進める経済政策のひとつに、トルコ初の国産電気自動車メーカーを目指す「Togg」による自動車産業の育成がある。

 2021年3月に発表された新経済改革パッケージでも、グリーンボンド(環境債)発行による二酸化炭素排出量を削減するEVやハイブリッド車(HV)など環境に優しい投資への資金調達の機会を多様化させている。

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