ルノー日産、BMWをしのぐ勢い? トルコ初の国産EVメーカー「Togg」の秘めたるポテンシャル、年産100万台体制狙うエルドアンの鋭き目論見とは

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エルドアン大統領が立ち上げたトルコ初の国産EVメーカー「Togg」。中国や米国などの新興EVメーカーとの競合もあるなかで、世界のEV市場でどのような発展を遂げていくのか。

Toggの成り立ち

決戦投票の当選後に演説するエルドアン大統領(画像:トルコ大統領府)
決戦投票の当選後に演説するエルドアン大統領(画像:トルコ大統領府)

 Toggの歴史は浅く、2017年11月にエルドアン大統領が国産電気自動車構想を発表。今から5年前の2018年6月に会社が設立された。

 Toggは、トルコ語で「トルコの自動車合弁事業グループ」を意味する「Turkiye’nin Otomobili Girisim Grubu(Turkey’s Automobile Joint Venture Group)」の頭文字から成り、英国向けにトラックを生産・輸出しているBMCグループやタークセル(通信)、ゾルルホールディングス(多国籍コングロマリット)などが出資会社として名を連ねている。

 具体的な事業計画が発表されたのは2019年12月発効の大統領令で、投資額3億ドル、五つのEVモデルを年17.5万台生産、2022年にEVのコンパクトスポーツタイプ多目的車(SUV)を投入し、同年以降15年間の経済効果は500億ドルと発表していた。

 驚いたことに、この大統領令と同じ時期に開催されたプレス発表でセダンとSUVのコンセプトモデルが披露され、水面下では電気自動車の開発が進んでいた。

 コンセプトモデルのデザインは、フォルクスワーゲン(VW)やメルセデスベンツでヘッドデザイナーを務めたトルコ出身のMurat Gunak氏やイタリアのデザイン事務所ピニンファリーナが起用されたとされている。

猛烈なスピードで進んだEV事業

トルコ(画像:OpenStreetMap)
トルコ(画像:OpenStreetMap)

 大統領令発効から約3年後の2022年11月、トルコ西部ブルサ(Bursa)にゲムリク(Gemlik)新工場が完成した。その完成式典でエルドアン大統領は、

「トルコは世界有数の自動車輸出国だが、国産ブランドがないことが国民の心の傷だった。この車(Togg)が世界中の道を飾ることを願う」

とスピーチで語った。

 悲願の国産電気自動車メーカーが誕生した瞬間だった。実は、エルドアン大統領は2011年ごろから国産電気自動車メーカーの構想を練り始めていたようで、それから10年余りで実現したことになる。

 大統領自ら肝いりの国家プロジェクトということもあり、Toggの電気自動車事業はすさまじい勢いで進んでいった。会社設立(2018年6月)から3年余りで、CES2022における華々しいワールドプレミアを果たし、鮮烈なデビューを飾った。

 それから1年余りで、ゲムリク工場でのパイロット生産開始(5月~)、同工場での量産開始(11月~)、Cセグメント電気SUV「T10X」受注開始(23年3月~)、同モデルの出荷開始(同年4月~)までこぎ着けた。

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