コロナ後のインバウンド誘致 「アニメ聖地」「花の名所」が強力なカギになるワケ
インバウンドの訪日目的として、自然や景観が上位にランクインしている。これを踏まえて、国内の観光地は「フラワーツーリズム」に注力すべきではないか。
戻りつつあるインバウンド状況

2022年10月に外国人の新規入国制限が見直された影響を受け、海外からの観光客数が回復しつつある。実際、全国の観光地で多くの外国人の姿が見られるようになった。
2023年3月の訪日外客数は、桜の時期と重なり訪日需要が高まったことや、クルーズ船などの運転が再開されたことにより、コロナ禍以前の2019年同月比の65.8%まで回復している。なかでも、欧米豪中東地域からの訪日外客数が大幅に増加した。
観光業のさらなる促進をめざして、政府では2024年3月31日、新たに「観光立国推進基本計画」が閣議決定された。これは、観光立国の復活に向けて、観光地や観光産業での持続可能な「稼ぐ力」を高めようというものである。また、地方への観光客の誘致や、観光客1人あたりの消費拡大を促し、インバウンド(訪日外国人)のV字回復を狙う目的もあるという。
稼ぐ力を高めるには、国内の観光関係者同士の連携や海外旅行会社へのセールス強化が必要だ。さらに、顧客ターゲットを定めて情報発信をしていき、単なるツアーではなくその観光地でしか味わえない、付加価値の高い旅行を提供する努力が求められるだろう。観光のあり方を見つめ直すとともに、新たな観光資源を見いだして持続的な観光を実現することが求められている。