外国人観光客の受け入れ本日再開 「観光公害」乗り越え経済再興なるか? 日本人の「横並び主義」にも期待大

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6月10日から、米国や中国など98の国・地域からの観光客を対象に受け入れ手続きを開始。外国人観光客は入国時の感染検査や待機は不要となる。関連業界の生存戦略とは。

団体旅行限定の受け入れ開始

観光地として世界的人気を誇る京都(画像:写真AC)
観光地として世界的人気を誇る京都(画像:写真AC)

 世界的にコロナ禍が沈静化に向かっていることを受け、日本の観光政策もいよいよ規制緩和、正常化に向けて動き出した。

 2022年6月10日から、米国や中国など98の国・地域からの観光客を対象に受け入れ手続きを開始する。ワクチンを接種したかどうかにかかわらず、外国人観光客は、入国時の感染検査や待機は不要となる。

 ただし滞在中の行動管理を徹底させるため、添乗員が同行する団体旅行に限定されており、個人旅行は認められていない。それゆえ、まだ

「様子見の段階」

といわざるを得ないが、本格的な受け入れに向けた一歩であることは間違いない。

 これにより、外国人観光客に再度期待する地方自治体も多い。ただ想起しなければならないのは、コロナ禍前の「観光公害」といわれた状況だ。京都など、国内の名だたる観光地は外国人観光客であふれ、

・地元民が定期バスに乗れない
・住宅街にあるレストハウスの深夜まで大騒ぎで周辺住民が眠れない

など、地元民の生活を脅かすまでになっていた。

 受け入れの自由化が進んだ場合、コロナ禍前と同じ轍(てつ)を踏まないように、どのような問題があったのかを思い出し、受け入れ体制の検証と再構築を進めなければならない。

 いって見れば、外国人観光客の受け入れを停止していた2年間は、従来の観光政策の問題点を見直すよい機会になったとも考えられる。「暗い面」だけを見るのではなく、この見直しの時間をどう有効に生かせたのか、その成果が今後問われる。それができた地域こそ、観光政策の「勝ち組」となるだろう。

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